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内積と成分

次のふたつのベクトルの内積を成分で表示せよ。


【解説】

まず言葉の意味を考えます。
そもそもベクトルとはなんでしょうか。
それは「→」のことです。
これは物理で力の大きさとその向きをしめすために
あらわれたものと思われます。
「→」は長さと向きでできています。
有効線分です。
これをベクトルと呼んでいます。
「矢印」と読み替えても構いません。

数学ではこの矢印をつかって何をしようというのでしょうか。
それは四則です。
数字は加減乗除の4つの計算をすることができます。
足す、引く、掛ける、割るの4つです。
これをこの矢印でやろうというのです。

そんなことできるのか。
また、なんのために。

これは力の性質でふたつの力をあわせると
一つの力にまとまることがわかっているので
この力の性質を加法と減法の定義としてしまったようです。
したがって力の計算をするにはこれが役に立ちます。

このことからベクトルの加法は次のように定義されます。


ふたつのベクトルの和は赤い色のベクトルにまとまります。
これをふたつのベクトルの和と定義します。

差についてはこのことから当然に定義されますので、
これで和と差は定義することができました。

さて、問題は乗法つまり掛け算です。
「→」の掛け算などということをそもそも
定義することができるのか。
まったく分かりません。
しかし不思議なことに数学では定義されています。
それは次のとおりです。

ここでベクトルに絶対値がついているのは
ベクトルの長さを示します。
したがってこの内積は加減の場合とちがって
矢印で示されないでふつうのこれまでとおなじ数字で示されます。

ところで、いったいどうしてこれが内積の定義なのでしょうか。
加法と減法はおよそ見当がつきますが
これがベクトルの掛け算と定義されることについては
まったく想像がつきません。

じつは上記の課題を解くとそれが分かります。
ただしくはこのように定義をしたきっかけが一応推測できます。

そこで内積を成分表示してみます。
ここではくわしい途中経過は省略しますが、
結論として、
ふたつのベクトルが作る三角形に余弦定理を当てはめると
次の式が成り立ちます。

cosθは余弦定理から出ていたわけです。
ここでもし次のような定義を勝手に作ったらどうでしょうか。

いまのべたこれらの式から次の式が得られます。

これはなんとなくふたつのベクトルを掛け算したよう感じがするし、
また同時に成分表示もできたことになって
一石二鳥です。

こんなわけで内積が先のように定義されたのではないかと
推測できます。